一つ前の町で噂を聞いた。

西伯候姫昌が、妲己に捕まったそうだ、と。


「太公望・・・・。何かその格好、かなりアレに似てんだけど・・・・。・・・・ほら、台所なんかに出てきそうな黒い」


「黙っておれ!水の音が聞こえんだろう!」


さん、結局ご主人は何するつもりなんスか?さっきの説明、よく分からなかったっス・・・・」


「地下水掘るってことよー。この辺りの地形見てそれが分かるんだって」


夜中に太公望が見たという空飛ぶコウモリ人間、立ち寄ったこの町での、そのコウモリ人間についての話と、町で一番の金持ちの話。

そして今、と四不象の前で今まで地面を這っていた太公望。

見つけたのか、宝貝で素早くそこを掘り始めた。


「・・・あ、水」


地響きのようなものがしたかと思うと、一気にそこから噴水のごとく水が飛び出てきた。



「はーっはははは!どうだ、四不象!わしのこの卓越した知識!」


「水脈掘り当てただけでしょう。それくらい頑張れば出来るでしょ」


「・・・ご主人・・」


西岐のとある町。

水不足で困っていたその町で、太公望は水脈を掘り当てたところだ。

そこで聞いた『コウモリ人間』に関する話。

赤黒い肌をしており、黒い翼を持っていると聞いた。

『コウモリ人間』は盗賊集団の頭で、その盗賊集団は欲張りな金持ちだけを狙い、奪ったものを町民達に与えてくれる集団らしい。

金持ちの名前は『李伸』というそうだ。

ちょうど町は水不足に苛まれていたのだが、町の金持ちの家には大量の水があり、その水を多額の値で売っているという。

なので今回その盗賊集団は、その家の水を町民達のために奪ってきてくれる、と町民は喜んでいた。

しかし、太公望はそんな町民達のために地下水を掘り当て、盗賊達の出番をなくしてしまった。


・・・・盗賊の人達・・・怒るだろうなぁ・・・・。


は思った。


「おおっこれはすごいっ!その知恵と知識は仙人界で学んだものか!?ぜひともわが家の客となり、お話を聞かせてくれ!!」


突如、見るからに「私は金持ちだ」オーラを漂わせた1人の男性が現れ、太公望に言った。

太公望が地下水脈を掘り当てたという噂をいち早く聞きつけてやってきたのだ。


「道士さま、ヤツが李伸ですよ。人を利用する事しか知らない奴です。関わらない方が・・・・」


町民の1人が太公望とに言った。


「・・・・どうするの?太公望」


「わかった、行こう」


ニッと笑って、太公望は李伸の横に並んだ。


「ご主人!?」


四不象が太公望の返答に驚いた。

どうして?と、表情が言っている。


「最初っからこのつもりだったでしょ」


「どうかのう」


が小声で言った言葉に、太公望はそれだけ言った。

は小さくため息を吐き、


「四不象ちゃん、行くよー」


後ろで止まったままの四不象に言った。






「綺麗なところだねえ。これで住んでる人もいい人だったら言うことなしなのに」


家の周りには水が溢れていて、水に浮かぶ御殿のような雰囲気だ。

家の灯りが水面に映り、ゆらゆらと揺れて綺麗。


「そうっス。ボクもあの人あんまり好きじゃないっスよ。いつまでここに居るつもりっスか?」


太公望たちは、金持ち李伸の屋敷に来ていた。

時間で言うと今は夜、空には大きな満月が浮かんでいた。


「わしとてあんな小物に興味はない」


「道士に聞きたいことってのが『不老不死の秘密』だもんね。ま、ああいう人が聞きたいことだなんて分かりきってるようなものだけど。
 太公望がここに来た目的はあれでしょ?盗賊集団のリーダー」


が太公望に言った。


「そうだ、雷震子。わしはそやつに会ってみたいのだ」


雷震子、『コウモリ人間』の名前だ。


「・・・・?・・・・何のためっスか?」


四不象が聞いた。


「さぁのう・・・だが何となく会っておかねばならぬ気がするのだよ」


太公望が答えた。

なんとも曖昧な答えだったが、本人にもよく分かっていないのだろう。


その時、満月の一部に、1つの影が落ちたのをは見た。


(・・・何?鳥・・・?・・・いや、違う!)


「太公望!あれ!」


その影の正体が何なのか分かったは太公望に言った。


「来たっ!あっちだ!!」


「・・・って太公望、あそこはあの李伸とかいうおじさんの寝室じゃ」



ドオン!!



が言い終わる前に、その『影』は李伸の寝室へと突っ込んでいった。


「・・・・なんともパワフルな盗賊」


が太公望の隣で呟いた。


「予告通り来てやったゼェ!この雷震子様がよォ!」


赤黒い肌、真っ黒な翼。

李伸の寝室に突っ込んでいった盗賊集団のリーダー雷震子が叫んだ。
















空の使者と風使い


















「それで何でこうなるのか分かんない」


「親分は挑発に乗りやすいタイプっすからね」


盗賊集団の中の1人が言った。


「だからって戦うことないでしょう!周りには良い迷惑だわ。ちょっとあなた達、あなた達の親分なんでしょ?説得とか出来ないわけ!?」


「無理っすよ・・・・親分はオレ達より桁外れに強いんだから・・・・」


そんなこと言って戦いを止めたら、後で何されるか分からねぇ。

気弱に一人がそう言った。

は両手を握りしめ、大きく息を吸うと、


「太公望!いい加減で下りてきなよ!話し合いかなんかすれば済むことじゃない!」


「ちょ、ちょっと嬢ちゃん、そんなに乗り出したら落ちますって水の中に!」


慌てて何人かの盗賊仲間がを引っ張った。


「無茶を言うでない!それに今さら中断するなんて無理だぞ!」


「・・・それよりも何でさんは盗賊の人達と普通に会話出来てるんスかね」


敬語で話されてるし。

太公望と四不象は空中にいた。盗賊集団のリーダー、雷震子と一緒に。

李伸の寝室に突っ込んできた雷震子。

その後、太公望の挑発に見事に乗ってしまった雷震子は、空中でなぜか決戦をすることになってしまった。


「太公望!何も闘わなくたって良いんじゃないの?」


「しかし今さらこやつの怒りを収めるのも難しいぞ」


「何ごちゃごちゃ言ってやがる!オイ、そこの女!うるせえぞ!外野が偉そうに口出しすんじゃねぇ!」


雷震子がに向かって言った。


「なっ!?何よ失礼ね、やっちゃいなさい太公望!」


「・・・さんが怒ったっスよ、ご主人・・・・」


呟いた四不象の上で、太公望はため息を吐いた。


「そっちから来ねぇなら、こっちからいくぜ! 発雷!!」


雷震子がそう叫ぶと、屋敷の上に黒い雲が沢山集まってきた。


「・・・雷雲?」



ズドン!!



が雲を見ながら言った瞬間、大きな稲光が走り、


「・・・落ちた」


太公望と四不象に見事命中した。


「直撃だ!」


雷震子の仲間たちが口々にそう叫ぶ間にも、太公望と四不象は重力に身を任せたまま、

屋敷の周りに貯めてある大量の水が入った大きな池に落ちた。


「・・・あーあ・・・、もう」


大きく、ため息をついた。



「おぬしはズルい。そんな便利な翼を持っているなんてサギだ!」


池の水で濡れた髪を乾かしながら、太公望は雷震子に言った。


「よくあの雷で生きてたね2人とも・・・・」


は誰にいうわけでもなく言った。


「じゃあどうしろってんだ!」


雷震子が言った。


「うむ。武器ナシでやるのだ」


拳を雷震子の方に向け、太公望は言った。

武器ナシ。素手、ということ。


「・・・・おもしれぇじゃねぇか」


案の定、雷震子はニヤリと笑って、その案にすぐさま乗った。


「そうと決まればついて来な!そういう闘い方には絶好の場所がある!」


雷震子はそう言うと、翼を広げて宙に浮いた。


「ほれ、も行くぞ」


「はいはい」


太公望とを乗せ、四不象は雷震子を追いかけた。





「うわ、凄い。何か変な・・・闘技場?みたいなのがあるよ」


「雷震子が言ったのはあれの事かのう?」


大きな岩山の連なるその中に見えてきた大きな物に対して、と太公望は言った。


「オレたちが作った闘技場よ!リングアウトすれば下に落ちて死ぬ!
 ここでオレたちの盗賊団に入りたいヤツの集団試験をするんだ。だから軟弱なヤツに入る資格はねぇってわけさ。オレ様はそんなヤツらの頭やってんだ。簡単には負けねぇぞ!」


雷震子は一足早くその『闘技場』に降り立ち、太公望を指差して言った。


「あららー、いよいよ闘争心に火がついたみたいだねあの人。頑張れ太公望」


太公望の背中を叩き、は言った。


「・・・おぬし・・・他人事だと思って・・・・」


「ここまで来たら引き下がれないんでしょ。とにかく頑張って。あの雷震子って人、仲間に入れたいんでしょ?」


「うむ。
 さて、おぬしもスープーと一緒に離れておるのだぞ」


「もちろんよ。とばっちりくらうなんてごめんだもの」


さも当たり前だ、という表情では言うと、笑顔で四不象の居る闘技場の端の方に行き、四不象に飛び乗った。


「・・・・兄弟子であるわしの事が心配ではないんかのう・・・・」


太公望が1人、四不象に乗ったを見ながら呟いた。



「でも素手での格闘なんて・・・・ご主人、大丈夫なんスかねぇ・・・・?」


心配そうに四不象がに言った。


「うーん・・・・太公望は素手だと私にすら負けたことあるからねぇ。一回だけだけど」


「え!?そ、それは大丈夫じゃないんじゃないっスか!?大丈夫じゃないっスよ!?」


「でも、こんな所で終わるほど太公望はバカじゃないと思うから、たぶん大丈夫よ」


は明るく四不象に言った。


「・・・・さんがそう言うんなら大丈」


ドゴッ!
「死ね、おりゃあ!!」


雷震子が攻撃を仕掛けた。

太公望はかわしたが、今まで太公望がいた場所には雷震子が殴った跡がついている。

殴った跡というよりは、壊した跡、という方が正しいような気もする。

しっかりと抉れていて、土煙が上がっていた。


「・・・・さん」


「うわー、もしかしたら大丈夫じゃないかもね・・・。応援してよう応援。
 それにしても、あの雷震子って人・・・・人間業じゃないわね。仙人界の力持ってるんじゃない?」


「仙人界関係の人っスか?ご主人はそのこと、分かってるんスかねぇ・・・・」


「分かってるだろうね。太公望の事だから。あ、蹴られた。痛そう・・・」


四不象とは空中から2人の格闘を見ていた。


「仕方ない・・・・こうなったらこれを使うしかあるまいのう」


雷震子の蹴りの次の攻撃をかわした太公望は、素早く立ち、懐を探り出した。


「太公望マルヒアイテム、仙桃!!」


太公望が懐から出したのは桃だった。


「モモか・・・?」


「モモっスねぇ・・・」


雷震子と四不象が言った。


「・・・はっ!太公望、何それ持ってきたの!?」


が言った。


「ふふふ、、おぬしにはこれの正体が分かったようだのう。四不象も一度これを見たことがあるはずなのだが?
 これはただの桃ではない!仙人界特産の、酒の成分が入った桃なのだ!」


「そんなもん持ってきて・・・・元始天尊さまに怒られるよ?」


「なんだ、おぬしは何も持ってきてないのか?」


「ううん、いっぱい持ってきた。ほら」


はそう言って、バラバラと持ち物を出した。

どこから。


「・・・・さん、あなたもっスか・・・・」


「・・・・そんなもの出してどうするんだ?」


雷震子が太公望に言った。


「食うのだ!」


一瞬その場が静寂に包まれた。


「太公望ってお酒回るの早いのよね」


が言った。

と、太公望の体が、ぐらりと傾いてふらふらとおぼつかなくなってきた。


「ああっ!早くも酔っぱらいになったっスよ!フラフラしてるっスよ、ご主人!」


「食えば食うほど強くなる。元始天尊さま直伝『泥酔拳』で勝負ー!」


「喋り方からして挑発してるようなもんだわね」


「・・・テメェ、ふざけるな!」


雷震子が太公望に突っ込んで行った。

が、素早いともいえない変な動きなのだが、しっかりと太公望は雷震子の攻撃をかわした。


「ぶっ!」


攻撃をかわされ、すぐに足を引っかけられた雷震子はうつ伏せに倒れた。


「・・・なっ!?」


すかさず太公望は倒れた雷震子に体当たりを食らわせ、

当の本人は食べかけの桃を口に運びながら余裕の表情で地面に肘をつき寝転んでいた。


「あはは、強い太公望!」


「すっ・・・すごいっスよご主人!そんなコトも出来たっスか!」


「ははは、よく白鶴と訓練したからのう!」


桃を食べながら太公望が言った。


「きっ・・・きったねぇ・・・。ドーピングじゃねぇのか!?急に強くなりやがって・・・」


まともな攻撃を食らったにも関わらず、雷震子は立ち上がり太公望に言った。


「『泥酔拳』は立派な技!おぬしが弱いのでは?」


未だに寝転がったまま、太公望は言った。


「なっ・・・!オレ様は強いんだ!バカにすんなテメー!」


雷震子は飛び上がり、叫んだ。


「電電蹴撃!!」


「うわーそのままなネーミングねー」


が言った。

そういう場合ではない気がするのだが。


「死ね!」


勢いよく突っ込み雷震子は叫ぶが、ひらりと太公望はまたもやかわした。


ドゴッ!


そしてちょうど背中を向けてしまった格好になった雷震子を蹴り飛ばした。


「しまっ・・・」


雷震子は素早く手を地面につき、そのスピードを緩めようとしたが、蹴り飛ばされた勢いが収まるわけもなく、


片手は闘技場の上に乗っているが、体は宙に浮いた状態になった。


「・・・・やられたぜ。リング・アウトだ」


雷震子はそう言って、闘技場を掴んでいた手を外した。

しかし太公望は素早く手を伸ばし、


「なっ?」


「死ぬな雷震子よ。生きてわしと共に世を変えるのだ」


雷震子の手を掴んで、言った太公望を見て、


「はぁ・・・。まったく・・・やり方が無茶苦茶なんだから」


はため息を吐いた。

四不象は頭の上に疑問符を並べて。




「畜生!畜生畜生!何で助けたりするんだよ!生きて恥をさらすより死んだ方がましだ!」


「そんなこと言うのやめなさいね。命を粗末にしちゃいけないのよ、どんな理由があろうとね」


叫びながら闘技場の地面を殴っていた雷震子にが言った。

睨むようにして見つめるに、雷震子は黙り込んだ。


「おぬしにはわしの計画を手伝って欲しいのだ。妲己を倒す計画を」


「妲己・・・?」


誰だそりゃ。

雷震子は顔をしかめる。


「殷の悪い皇后だよ」


雷震子の問いに太公望が答えた。


「最近では東伯候と南伯候が殺され、西伯候・姫昌すらも捕まってしまったそうだ」


「・・・なんだと?親父が・・・?そりゃあ本当か!?」


雷震子が太公望の肩を掴み、言った。


「えっ・・・親父?」


四不象が目を丸くして聞いた。

太公望、、四不象の反応に、雷震子は少し俯いて、


「・・・オレ様はもともとは捨て子だった。それを拾って養子にしてくれたのが西伯候・姫昌だったんだ。オレ様は大切に育てられた」


捨て子で、実の子でもない自分によくしてくれた姫昌。

本当の親であるように。

大事に育ててくれた。


「そんな時、あいつがやって来た。崑崙山の仙人、雲中子。あいつがオレの一応の師匠だ。オレ様には仙人骨があり、そいつと一緒に仙人界に修行に行ったんだ」


「雲中子?奇妙な宝貝実験をする通称「変人」かのう・・・?」


「あぁ、あの人・・・。噂はよく聞くわよね・・・」


太公望とが言った。


「何だ、知ってんのか?・・・確かに変人かもしれねぇ。あいつのスパルタ教育は尋常じゃなかった。オレ様はいつか必ず逃げ出してやろうと思ったいたんだ。
 そしてオレ様が8歳の時・・・ついにあの事件が起こったんだ」


「事件っスか・・・・?」


「その日、雲中子は何故かオレ様に杏を持ってきた。確かヤツは『不思議な杏だ』とかほざいてやがった。
 その杏を食べれば強くなれる、強くなって父上の手助けをしてやれ、と」


明らかに人の弱いところにつけ込んでいるやり方に思う。


「オレ様はすぐにその杏を食べた。早く強くなって親父の力になりたかったからな。
 だが、その杏を食べるとすぐに、オレ様の肌の色はこんな風に赤黒く変色し、牙が生え、背中からは翼まで生えやがった!」


「・・・可哀相・・・・8歳で・・・」


私だったら耐えられないかも・・・。

と、は雷震子をじっと見つめた。


「知っての通り、この翼は雷と風を発生させることが出来る。あいつはあの杏の実験台にオレ様を使ったのさ。すぐにオレ様はこの翼を使い、ヤツに雷をお見舞いしてやったぜ。
 まぁこの翼のお陰でオレ様は晴れてあいつの魔の手から逃れられたってわけさ!」


「雲中子・・・あいつは一体・・・」


脱力して太公望は言った。


「でもよ、その後親父のとこに帰ろうと思ったんだがよ。こんな化け物の姿じゃ帰れねぇって気付いたんだよな」


「成程、それでせめて『独力で強くなり、有名になってから』と思ったのだな?」


「ああ」


太公望が言い、雷震子は頷いた。


「だがもうそんなコトをうだうだ言ってらんねぇ。オレ様は朝歌に行く!」


雷震子は翼を広げ、言った。


「だめだ。行ってはならん」


太公望が腕組みをし、言った。


「・・・なに?」


「息子のおまえが今行けば、姫昌は殺されるであろう。それにおぬしは妲己と闘うにはまだまだ修行不足だ」


「なんだと!?」


「少なくともわしにすら勝てぬようでは妲己は倒せぬぞ。あやつはわしよりも強いのだ」


「だいたい、行ってどうしようっていうのよ。あなたが捕まって、それで姫昌まで殺されたら力になるもなにもないわ」


太公望とが言うと、雷震子は俯いた。

そして、黙り込むと急に顔を上げた。


「・・・決めた!盗賊団は解散する!
 んでオレ様は仙人界に行ってレベルアップしてくらぁ!強くなったら帰ってきてキサマも皇后もぶっとばしてやる!」


雷震子はそう言うと、宙に浮き、


「首洗って待ってろよ太公望!」


大きな翼を駆使して、遠く飛んでいった。


「ご主人・・・彼を味方にするんじゃなかったっスか?」


「これでいいのだよ、スープー」


「心強い仲間がまた1人増えた、ってとこだね太公望。ホントよく考えてるよね、最後まで。最初っからこのつもりだった?」


が聞いた。


「・・・どうかのう」


太公望が言うと、は何も言わず微笑んだ。


「・・・・?ご主人、さん、何の話してるんスか?」


四不象が2人に聞いた。


「分からないようではおぬしもまだまだ修行不足なのでは?」


太公望が言った。


「それより早くさっきの村に帰らない?なんか私どっと疲れが」


「おぬし・・・・何もしてないくせに・・・・」


「何だったんスかっ?2人だけで!ボクにも教えて欲しいっス!」


「それ行けスープー!」


「頑張って四不象ちゃん!」


四不象に乗った太公望とは進行方向を指差し言った。































      


























初執筆...2002,12頃
改稿...2005,03,04